関数の初等な連続性の距離空間への一般化
距離空間
距離空間とは、次の公理を満たす距離関数(distance function) を持つ集合 のことをいう。
つまり、
- 2点 間の距離は 以上
- 2点 間の距離が であることは、 と は同じ点
- 距離関数の引数を入れ替えても、2点間の距離は変わらない
- を経由すると、2点 をまっすぐ進むよりも距離は大きいか、等しくなる
という自然な距離の性質を満たす関数 が定義されている集合のことを距離空間という。
距離空間は、考える集合 とその上の距離関数 の2つを組みにしたもの として表される。
例えば、実数 の上に、 と の差の絶対値 を距離関数として入れれば、その は距離空間になるし、2次元ユークリッド平面 上に を入れたもの も距離空間になる。
注意して欲しいのは、上の定義を満たすような集合と距離関数が与えられれば、それは距離空間と言われる、ということである。
つまり、自然に感じられないような定義、例えば、集合 上に、
というような関数を定義してやると、これは距離関数となり、 は距離空間となる(確かめるのは簡単なので、試してみて欲しい)。
関数の連続性
実数空間 上の関数の連続性とは、理系の大学1年生ならならうかもしれないが、-論法という形で表される(-もあるけど、ここでは割愛)。
つまり、関数 が点 で連続(continuous)であるとは、任意の正の実数 を考えたとき、ある
を満たすような正の実数 が存在することをいう。
すなわち、どんな距離 をとっても、 との距離が となるような全ての点 に対して と との距離が より小さくような が存在すれば、関数は連続であると主張している。