ルベーグ外測度のイメージ
外測度, 特にルベーグ外測度についてのイメージを記しておく.
準備
ルベーグ外測度自体の定義の述べる前にいくつか準備をしておく.
まず, 区間 とは次元ユークリッド空間の部分集合のことをいう.
ただし, を指す.
これはどういうことかというと,
- のとき, 閉区間
- のとき, 空間上の軸と軸に平行な四角の形をした閉領域
- のとき, 空間上の軸と軸, 軸に平行な直方体の形をした閉領域
を指している.
より高次元では直方体のような形をしたものを区間と称している.
この区間の体積を
と定義する.
これは3次元や2次元の場合を考えてもらえれば直感的だろう.
なので, この定義は直方体や四角形の面積を計算する計算式を3次元よりも高次元な場合へ拡張しているものであることがわかることと思う.
外測度
集合上の外測度とは次の公理を満たす集合関数のことをいう.
1. 空集合に対し,
3. の部分集合列に対し,
ルベーグ測度
このままでは抽象的すぎるので, ルベーグ外測度はに対し, 公理を満たすように体積を用いて定義される.
具体的には部分集合を被覆するように選んだ任意の区間列, すなわち,
を満たすの体積の和の下限がルベーグ外測度となっている.ルベーグ測度のイメージ
上の定義だけだと何だかよくわからないと思うので, イメージを記す.
なお, 簡単のため1次元の場合で書くが, より次元の高い場合も同じ.
そもそも図のように重なっているような場合は無駄が発生している.
もちろん, を被覆できる区間列ならなんでも良いので,その和がAより大きい, つまり図のではない部分を含んでいるようなものやそのものであっても構わないが, が付いているのでその中でも最小のものを選択しなければならない.なので, 無駄なく区間のヘリの部分のみが共通部分となるように区間を用意して(図では閉区間の始点と終点のみを共有するように)やるのが最も値が小さくなることがわかると思う.
このようにすれば問題なく測度を計算することができる.ただ, 上のは無限個の閉区間を足していることに注意して欲しい.
これは図のようにを被覆する有限個の閉区間と無限個の空集合が並んだ区間列をとればよい(空集合は閉かつ開)と考えるとわかりやすいと思う.
つまり, 空でない閉区間をからとして
となるような区間列をとっていると考えればよいとおもう.